泉州‥歴史的建造物探訪

春に犬鳴山と慈眼院で泉州の魅力に開眼した私。

今日は地元在住のMさんの案内で、歴史的建造物めぐりです。

 

まずは、泉南郡田尻町にある「田尻歴史館」。

若い時は、故郷に錦を飾るなんて言葉に嫌悪感すら感じましたが、こうして色々な地方を訪れてみると、そのような心意気が大切な物を残す力になったのだと気づかされ、「ごめんなさい」の気持ちです。

 

 

建物の正面

三角屋根のてっぺんの飾りもユニークです

【画像はクリックすれば拡大します】


お向かい建っている日本家屋のお宅。

使い続け、維持されていることに脱帽!


ここは田尻出身の「綿の国から生まれた綿の王」といわれ、紡績事業で財を成した谷口房蔵氏が、故郷に造った工場に併設された迎賓館や別荘です。

 

屋敷を囲む塀にはめ込まれたこれ‥透かしの陶板です。


 

一回のホールは現在「ベッラメンテ」というカフェスペースになっています。

 

屋内外を堪能するとともに、 レトロな雰囲気に囲まれて、ゆったりとお茶やランチが楽しめます。

そのテラスからは隣の和館や茶室が見えています。

 

もちろん庭を散策することもできます。


 

2階の洋室。

貸しスペースとして使用されているようです。

 洋館の壁には西陣織りの壁布が貼られています。


 

2階の洗面所。


 

ここは、なんと2階にあるトイレです。

 

古い洋館には、必ず2階にバス・トイレ…当時のヒトは驚いたことだろうといつも思います。


洋館の室内いたるところに使われているステンドグラスは、その美しさに魅入られます。

 

地元出身のK曰く 「田尻といえば漁港‥他に何かあるとは、知らんかったわ~」

 

強く反省を促しておきました。


次は岸和田市の「自泉会館」

現在NHK放映のドラマ「夫婦善哉」のダンスホールロケは、ここの大ホールで撮影されたそうです。

 

ここも岸和田出身の寺田甚与茂(ユニチカの前身「岸和田紡績」の創始者)の基金を元に昭和7年に建設された建物。

 

現在は文化ホールとして、とってもリーズナブルなお値段で、使用することができるのです。

玄関ポーチの柱(トスカナ式というそうです)見事です。


 

エントランスに向う石畳は、右側が少し勾配が高いカーブを描いていて、それにあわせて花崗岩が台形に切られ、見事にはめ込まれています。

 

 

ホールに面した出窓は緩やかな曲線を描いて張り出しています。


ここが大ホール

ホールとギャラリーを結ぶ階段が優美です。

天井は舟底形を描き、タイルの張られた装飾暖炉がドーンと構えています。

昭和初期のダンスホールの音楽が聞こえてきそう‥

U字形を描くエントランス

市松模様の床、階段の手摺やはめ込まれたタイル‥どれをとっても美しさにうっとりします。



最後に「岸和田城」

 

天守閣は昭和29年に再建されたものなのですが、本日のメインは天守閣前の庭‥重森三玲氏設計の「八陣の庭」です。

 

舎主のKは隣にある岸和田高校出身。

自分たちの庭のように思っていた彼等は、庭の由緒も知らず、卒業アルバムのグループ写真をこの石で撮ったとか。

まさか後年、庭に魅了され、それらの写真でご飯を食べさせてもらうことになろうとは‥ね。


天守閣から見下ろした庭‥諸葛孔明の八陣法が見えてきましたか? 間近でみる緑泥片岩の迫力が、見下ろすと石で描かれた直線の模様が、なんだか意味ありげに見えてきますよね。

ちなみに、この天守閣からの景観は絶景です。

大阪湾の青、関西空港はもちろん、神戸・淡路島から明石海峡大橋もみ~んな見渡すことが出来ます。

「蛇」から「大将」を望む方向が私のお気に入り

最後に、泉州名物のお土産をいただき、思わずふきだしてしまったので‥紹介を。

カルシウムたっぷり、ビールのおつまみに最高!と保証します。

「がっちょ」

完璧な原型を保った一個を、喜んで食べてしまったので、これは私が組み立て

ました。右側のしっぽを基点に3枚に開かれた姿は、その名前と共に、なんだか笑えますよね。

犬鳴山に語呂合わせをしたゆるきゃら「イヌナキン」

私がお会いしたお犬様とはえらくイメージが違いますが…

その「一生犬鳴」さに応援したくなる?かも‥


以上「泉州で見るもん、だんじりだけやないでー」の巻きでした。

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コメント: 3
  • #1

    M(です) (水曜日, 11 9月 2013 01:16)

    今回も泉州を楽しんでいただけたようで、嬉しいです。
    私も、久しぶりに、或はあらためて、自分の地元を楽しみました。(じぇじぇじぇGMT?)来てくださったおかげです。ありがとうございました。
    今回は主に、泉州で繊維産業が栄えていた頃の遺産ともいうべき建物でしたね。
    前回は役行者まで遡りましたっけ。
    今度はそのどちらとも違う趣の「物件」を探しておきますから、ぜひまたお越しください。
    「がっちょの唐揚げ」を紹介してくださって、ありがとうございます。
    ウケたみたですね。やった~(^^)v

  • #2

    gengensha (木曜日, 12 9月 2013 00:28)

    こちらこそ、ありがとうございました。
    Kに「こんなとこも、あんなとこも、あんた地元やのに知らんかったん~?」と、偉そうにしてしまいました。
    あの後の、城下町岸和田散策も面白かったねえ。
    新しい「物件」は、「名も無き遺産めぐり」とでも‥
    (E)

  • #3

    M(です) (金曜日, 13 9月 2013 19:37)

    特別な名所旧跡ではなくても、いわゆる「古い町や村」なら必ず有る、行先不明の路地や階段を見つけると入って行きたくなる私ですが、Eちゃんもきっちり付き合ってくれるので、散策が楽しくて時間が足りませんでしたね。
    やっと、歩き回るには良い季節になりました。
    私も、探索・散策のペースをアップしたいものです。