「茶庭」というと、限られた空間の美というイメージを持っていた私には、この江戸初期に造られた庭は衝撃的でした。
パンフレットに書かれている・・・「境内全体が一つの茶席の風情になるよう考えられており、表の門や玄関までの道、座敷や庭園、そして露地を通って小間の席という茶の湯で人を招く場合に必要な場所の一揃えが石州の演出そのままに残されている。」
まさしく「石州の演出」を体験してきました。
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住宅地から急な坂道を登り始めた途端に空気が変わって感じられる。
さらに「一之門」(写真上)を潜って出会った空気は、もっと深い土と緑の匂い・・・茶の道に踏み入れた確かな感触。
石畳の道を二回曲がると、巨大な木の根のあちら側に茅葺きの茨木門が見える。
その名の通り、元は茨木城の櫓門。門の内部には梯子が掛かり、2階の櫓部分に上がれるようになっている。
今は書院の屋根と同じ茅葺に葺き替えられていて、違和感なく茶席に導いてくれる。
門を潜り、右手が大刈込の脇を通り書院へ続く道、私たち一般参拝者は左手事務所から入ります。
書院への廊下から茨木門を見たところ。左が大刈込・・・うっ美しい。
こちらの書院でお抹茶の接待を受けながら、お庭拝見。
なだらかな傾斜地に造られた見事な刈込の庭です。
中心にある大刈込・・・カシ・ツツジ・クチナシ・カナメ・サカキ・ツバキ
植木職人に憧れる私としては、修学院離宮の大刈込を見ては、その内側がどうなっているのか、剪定はどうやってするのか知りたくてたまらなかった。でもアチラは内側はおろか近づくことすらできませんから。
お庭に降りてみると、高さはこんな感じ。内側は、なんと小さい丘。その球面に風通し良く枝葉が落とされた林が広がっています。
剪定は、職人さんがここに脚立を立てて体を上に出し、手で刈られるそう・・・なーるほど、そうだったか~と深く納得。
そしてお茶室。
書院の脇の露地をはいると北側に二つの茶室があります。
こちら、三畳の「閑茶室」
二畳台目の「高林庵」
書院の裏にある方丈からの景色。
近年造られた方丈と、書院への廊下。書院のたたずまいを壊さないようとの配慮が感じられ、それ自体の造作も美しいこと!
この紅白の梅(すごく趣のある枝ぶりに造られています)が咲くころ、刈込のツツジやクチナシが花をつけるころ、何度でも訪れてみたいと思いました。
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