修学院に暮らして30年、徒歩5分のここ「修学院離宮」に入ったことがなかった。塀の外からわずかに見える樹木を眺め、入りたい・入りたいといつも思いながら過ごしてきた。
なぜって、事前予約はいつも一杯、予約しても休暇がとれるかどうか・・・
ところが今年から、当日受付ができるようになった。
これだけ待ったんだから、記念の初回は『紅葉』にしよう!と・・・だって、長い年月の期待が大きすぎて、入ったらがっかり!てなことになるのが怖い!(期待と妄想が現実を上回る事はよくある)。紅葉はそんな場合のセーフティネット。
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「下御茶屋中門」をぞろぞろ(ワクワク・・・)
妄想は現実、いやそれ以上になり・・・美しい♪
「寿月観」への石段
嬉しそうにのぞき込む舎主 K 。
「これだ!速水御舟の修学院村があった!!」と、 K と手を取り合って(はいないけど)喜んだ景色。
奇しくも今朝の日曜美術館で、この絵をみたばかり。
離宮のお山(と私は呼んでますが、実は「御茶屋山」という名前がありました)の向こうに見えるのが(私が裏山と呼ぶ)比叡山です。
赤松の松並木を歩きます。
普通の松(?)じゃないですよ。みんな、こーんな赤松。
実はこの松並木道は明治になって作られたそうです。
「御水尾天皇は田圃の中の畦道を往き来され・・・山村周辺で耕作する民の姿をそのまま自然景観に取り入れることは、山荘造営における上皇の理想であった。」(修学院離宮パンフレットより)・・・なるほど、明治政府ねえ。
「楽只軒」
「楽只軒裏側」 なんと美しい建物!
「霞棚」・・・天下の三棚(あとふたつは、桂棚[桂離宮]・醍醐棚[醍醐寺三宝院])のひとつ。
この床の間も、なんとモダンな!
群青色の菱形の腰貼。
いよいよ、上御茶屋への御成門を潜ります。
予想はしていたけれど、感動の景観!
最近「ブラタモリ」で『高低差の美』を説くタモリさんに、うんうんと頷いてしまう私です。
大刈込(これ、実際に見るとスゴイです。普通の庭の刈込とは次元が異なります。うわー!と声が出ます)の向こうに浴龍池・その向こうに見慣れた我が家の家並みと山々。
こんなに近いところに・・・ねえ。
浴龍池の周りを散策
池の向こう岸を見上げ、樹木の色を見上げ至福の時間。
雪景色は?青紅葉の季節は?と妄想はひろがりますよ~
「宮内庁の庭」に抱いていた私のイメージは見事に裏切られ、しっとりと、むしろ鄙びた情景。設計者・御水尾上皇のセンスに只々恐れ入りました。
紅葉の見頃は今月後半です。宮内庁の参観案内参照の上、是非「修学院におこしやす~」
当日予約ができる参観は、月曜日・年末年始を除く、13:30~と15:00~の一日二回、一回の定員は35人。
当日の11:00から修学院離宮総門前で整理券を受け取り、開始時間に待合所に集合します。
参考までに、今日11月6日(日曜日)12:45に、15:00からの参観に空きがあったらラッキーと出かけたところ、13:30の予約がとれました。15:00からの回は、まだ予約ゼロでした。今後もこのペースか、は判りませんが。
参観は、案内の方を先頭に要所要所で説明を受けながら集団で移動します。写真撮影は自由ですが、集団から大きく逸脱することはできませんし、シャッターチャンスをとらえるのは多少の不自由もあります。が、これだけの庭園と日本建築を見ることができる(しかも無料で)機会は、そう多くはないと思いますよ。
ちなみに、近辺に時間をつぶす喫茶店などはありません。暖かいお茶でも持って、赤山禅院などで過ごすのがお勧めです。
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