古田織部美術館

古田織部美術館は、その名の通り「古田織部」に関連した茶道具などを展示した私設美術館です。

2014年にオープン後、初めて訪れることができました。


ここは、年4回テーマに沿って展示替え実施し、コレクションを公開されています。

今回は「古田織部と小堀遠州」


茶道に全く素養のない私たちですが、面白く見られました。

織部・・・というと、独特の緑釉・歪んだ無骨とも思える形ばかりが浮かびますが・・・

茶碗はもちろん、棚・釜・杓・水差・竹の花入、

すべて「織部好み」と「遠州好み」の品が対比して展示されているので、その解説と共に眺めているうちに、それぞれの人物の物へのこだわりが見えてきます。

ヒトが一生懸命「好き」と言っている姿は素敵です。


美術館のある大宮釈迦谷というところは、南西方向に15分も歩けば京都の有名な観光名所、鷹峯の光悦寺にたどり着けるところにあります。


しかし、あちらの人込みと打って変わって、なんと静かな所でしょう。


高級住宅(別荘)地と呼ぶにふさわしい・・・

ここ、ダレ様のお屋敷?

この階段の向こう、居宅はどこに見える?

みたいな、趣のあるお宅が立ち並んでいます。


ここにあった、昭和初期の商人が建てた数寄屋建築の住宅を「太閤山荘」と名付け、お庭の倉を渡り廊下でつなげ美術館としています。



外見は、うっかりしていたら見逃してしまいそうな民家です。


落ち着いた数寄屋門と脇に植えられた見事なサルスベリ(これが咲いたら、さぞや見事なことでしょう、見に行こう!)が目印です。


山荘の庭にある古梅は、花の咲いた姿はさぞや!と期待させられる佇まいです。


お庭では今、江戸時代前期に造られた小堀遠州好みの茶室「擁翠亭」を移築中・・・5月の完成が楽しみです。


倉の中の展示室は1階と2階につくられていて、広くはないけれど、展示品とじっくり向き合うには、むしろちょうど良いスペースに思えます。

写真撮影はダメですよ!



室内も随所に贅を凝らしています。


この座敷の窓、裏庭に山の傾斜を利用した滝の石組みがあり、その滝の景色を切り取って眺めるためにデザインされています。






下の戸板や欄間、見事でしょう!



2階のお座敷の縁側から眺める木々の風景は絶景です。

希望すれば、お茶も点てていただけます。


そして、太閤亭の外苑「紅葉谷庭園」


まだ、手入れ途中の場所も植えたばかりの若木もありますが、もともとモミジの自生地だったようで、巨大な古い木も随所にあります。


ここは紅葉や桜の季節の穴場でしょう。


なんと、お茶室を模した、半分の高さの躙り口から入る東屋が作られています。


「う~ん・・石の並びがな~ 気になるよな~ このままかな?」


最近やっと水野克比古写真集「重森三玲の庭園」を制作し終えたばかりの舎主Kがブツブツ・・・


「勝手に動かしたらあかんで!」(私)


「アホッ そんなん、したくても動くか!」


このあと「竜安寺の石庭」で、また石の話で格闘・・・

石にはまったら怖い!