入江波光展‥竹喬美術館にて

「岡山県の笠岡まで入江波光展を見に行きたい!」

Kにしてはめずらしい遠出の提案です。

 

1983年京都の「何必館」での展覧会を、ドクターストップで泣く泣くあきらめたそうで、この機会を逃したら死ぬまでに見る機会は無いかも‥と大層なことを言います。

あのモアッとした絵の‥という程度の認識しかなかった私は、そんなにこだわる程の絵かしら?と思いながら、むしろ瀬戸内にあるという「竹喬美術館」に魅かれて附いて行きました。

 

四十数年間の作品たちは、衝撃でした。

「獅子」や「降魔」から、緑に霞んだ「草園」、精密な模写の数々、水墨画「しぐれ」jの竹と小鳥から風雨が見えるように感じた頃には、泣きそうです。

数枚を見て、浅はかにもモアッとした‥と思っていたそれは、緻密で正確な技法に裏付けられ、昇華されたものだったのだと、その甘美な絵は訴えてきます。

 

展覧会パンフレット
展覧会パンフレット

「竹喬美術館」は郷土出身の日本画家「小野竹喬」ゆかりの、笠岡市立の美術館です。

同時代の国画創作協会展で活躍した人物という縁で開催したとの事ですが、地方の施設で、これだけの展覧会をするのはすごいですね。

図録も、とても見ごたえのあるものを作られています。

 

是非、足を運ばれることをお勧めします。

 

 

入江波光展 図録表紙
入江波光展 図録表紙
展覧会パンフレット
展覧会パンフレット