「金閣・銀閣の寺宝展」のカタログを見て以来、この展覧会を見に行きたくて仕方なかった私。
時間とお金が‥と渋るKに提案したのが【夜行バス】。
25日(金)20:40京都発
26日(土)8:00久留米着
26日(土)20:50久留米発
27日(日)8:00京都着
バス代2人分で往復17000円‥レンタカー代を入れても20000円!!
2泊1日、一日身体を空ければOK!!
捜せばできるのです、こんな旅が。
只、バスで他人と一緒に眠れない‥というデリケートな方には無理ですよ。
到着した西鉄久留米駅の壁には、「金閣‥」展のポスターが通路に沿って、何枚も何枚もずらっと貼られています。
訪れた観光案内所の職員さんには「おしゃれなチラシでしょう!是非行ってみてください」と笑顔で勧められました。
K(もちろん私も)の嬉しそうなこと!
そして、訪れた展覧会の会期前半は伊藤若冲です。
ポスターの表紙を飾った象に乗った「釈迦三尊像が」デンッ!と、圧巻です。
「菊虫図」「牡丹百合図」「鳳凰之図」‥
京都に住んでいても、これだけの実物をまとめて間近で見る機会はありません。
そして堪能したのはこれだけではなく、本館で展示されていた所蔵品展です。
青木繁・坂本繁二郎・古賀春江‥等、久留米出身者のものはもちろん、近代の画家の作品がこれでもかというほどに‥さすがブリヂストン!
とても美しい「石橋美術館」エントランス
美術館本館2階の休憩室から広い日本庭園が見渡せます。 春の季節にはさぞや美しいことでしょう。
今年一番に見つけた梅の開花。
この枝だけ‥
窓から見えた庭は、公園によくありがちなわざとらしく日本庭園っぽい‥ではなく、とても品の良い庭です。
この「石橋文化センター」入り口には『世の人々の楽しみと幸福の為に』と、ここを造り市に寄贈したブリヂストンの創始者「石橋正二郎」の言葉が刻まれています。
センターの図面も、日本庭園のレイアウトも彼が書いたと読みました。
事業への意欲だけでなく、文化的素養の深い人‥昔はいたのですねえ、こういう人物が‥
日本庭園から登った丘の上には、坂本繁二郎のアトリエが移築されています。 →
久留米は全国有数のツバキの植木・苗木産地だそうで‥丘の上にはツバキ園が広がっています。
ツバキ好きの私はご機嫌です。
久留米椿といえば「正義(まさよし)」という勇ましい名前をもつ品種が有名だそうですが、花は大輪の紅色に華やかな斑入り、超ゴージャスです。花の命名って、なるほどと頷けるものと、???のものが‥。これは私的には「舞踏会の貴婦人」という感じかな?
「正義」の画像はツバキ園からどうぞ。
次に向ったのは第二会場となる「有馬記念館」。
こちらでは、「竹虎図」をはじめとする若冲の水墨画が見られます。
彩色の若冲もいいけど、やっぱりモノクロの若冲は素敵です。
筆がグンッと運ばれる姿が目に浮かぶようです。
加えて、この会場のもう一つのメーン、焼き物です。
事前にカタログを見て、楽しみにしていた「赤楽茶碗」と感激の対面!
カタログの色を決めたKは、見比べて「う~ん、う~ん‥」
ちょっと、ちょっと旦那さん!所詮実物には敵いませんって!
「有馬記念館」は、久留米城の跡に建てられています。
立派な石垣です。明治維新まで聳えていたお城の姿が偲ばれます。
変革は貴重な物を壊してしまう残酷な事でもあるなあ、と寂しく眺めました。
久留米出身の画家、「青木繁」の旧居と「坂本繁二郎」生家も久留米市によって保存公開されています。
どちらも地元の方の説明がとても丁寧!郷土が生んだ画家やその作品への愛情が伝わってきて、聞いていて嬉しくなってきます。
← この自画像、石橋美術館で実物を見ました。魅せられます!
今回、石橋美術館常設展では、若冲に負けるか!と、所蔵画をいっぱい展示しています。
これら青木の作品も、所蔵していない「朝日」を除いては全て一挙公開しています。
見に行くのは、今が お・と・く かも‥
青木と坂本は、小学校の同級生だったのですねえ。
一時坂本家に身を寄せていた青木と坂本が描いた襖絵のレプリカが展示されていました。
坂本の父が襖に描いた武者絵も、上から青木が画を描き‥
そんなこんなを見ていると、熱い気持ちになってきます。
最後に訪れた「岩戸山歴史資料館」 えーっ?古墳んー??
「どうしても行きたい~!!!」と言い張るKに負けて、最後に飛び込みました。
ここの出土品は、埴輪ではなく、石人・石馬、それも、等身大のサイズです。
ここの収蔵品を丁寧な説明と共に見ていくと、昔教科書で習った「磐井の乱」のイメージは、全然違ったものに思えてきます。
顔を削がれ、手を切り落とされた兵士、黄金に煌く耳飾‥古代の筑紫の一族が動き始めるようです。
実物の写真は掲載できませんので、「別区」と呼ばれる広場に建っていたレプリカの写真をお見せします。
そして、いただいた資料のなかのコレ
「筑紫君磐井に会いたい」 →
すばらしいネーミングだと思いませんか?
添えられた文も
古代史の大事件、
「磐井の乱」。
もしもヤマトに
勝っていたら‥
八女市役所観光振興課、やりますねえ!
このパンフレット、八女市のHPからダウンロードできるようになっています。
楽しめますよ。どうぞ!
久留米市、八女市、どちらも観光客にやさしく、行く先々で丁寧な説明をしていただきました。そして、久留米ラーメンはおいしい!、駅前の珈琲店のコーヒーは本物の味がしました。充実した一日をありがとう!です。
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