第47回京の冬のたび「非公開文化財特別公開」が始まりました。
今日訪れたのは、妙心寺の塔頭「東海庵」
まずは、方丈前の「白露地の庭」
禅宗の庭は、突き詰めたらこうなるのですね。
この庭を眼前に座禅を組んだら、白砂に描かれた一直線に伸びる線から、見えるものがあるかもしれません。
次は書院南庭の坪(壺)庭。
何重も輪をつくる白砂の輪の中に、7個の石が立っています。
ぐるりを囲む渡り廊下を廻ると、水面のできた波紋か渦を眺めている感覚に襲われます。
そして、ここが私がとても気に入った空間です。
坪庭と壁を隔てて、やはり坪庭につくられた井戸。
石の井戸、滑車、ロープとブリキのバケツ、ぐるりは渋い色の竹に囲まれて‥
今までも、これからも絶対に変ることが無いように思える空間‥ああっ!これぞ禅宗のお寺さん、という感じです。
入り口わきの椿(山茶花?)
珍しい形につくられていました。
背はとても低く、1メートルくらい。
枝は低い位置から横におもいっきり伸ばしています。
相当古い幹が、近年に天を切られて仕立て直されている?
樹木って、生きている限り時間さえじっくり掛ければ、別の魅力あるものになれる。
素敵です。
せっかくだから、妙心寺のお参りもしようということになりました。
三門、仏殿、法堂が一直線に並んでいます。
禅宗寺院のこの並び方、いさぎよく美しくて好きです。
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法堂天井画「雲龍図」狩野探幽作(妙心寺パンフレットより)
法堂内を天井を見上げながらぐるっと廻ると、ぐっと首が持ち上がった昇り龍だったり、急降下する下り龍だったりします。不思議です、というより、やはり凄い技術です。
そして最後に面白かったのが「浴室」です。
この時代(江戸時代に明智光秀の菩提を追善するために建立されたので「明智風呂」とよばれている)のお風呂を覗き込んで見たのは始めてです。
今で言うサウナ風呂。
外から筒を通して水桶に溜めた水を大きな竈で沸かし、スノコ状の板の下に注ぐしくみのようです。
外には、「お風呂の準備ができました~」と境内に知らせる専用の鐘楼まで建っています。
この時代、お風呂はとても貴重ですから、 入れるのはある程度位の高い僧だけです。
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