新年の初登りは、やはり地元のお山「比叡山」でしょうということで、今年一年足腰が山歩きに耐えられますように‥との願いを込めて登ってきました。
自宅から赤山禅院の登り口まで10分弱。
自宅の廻りの山は修学院離宮の所有が多く、ご覧のような有刺鉄線で囲まれています。
そのお蔭で、野生の鹿たちも人が通ってもこの通り、すぐには逃げたりしません。
じっと私のほうを見ている親子連れがいました。
鹿や猿の食害に困っている農家の方々には申し訳ないけれど、じっと見つめる瞳の魅力に参ってしまいます。
沢沿いの山道は時々の大雨で、斜面が樹木と共に崩れたりするのですが、この道はよく手入れをしていただいていて、今日もこの通り、何本かの倒木は伐採され歩きやすくなっています。
修学院からのもう一本の登り口である雲母坂(きららざか)は、花崗岩質の地面が雨水でえぐられたような道なので、ちょっと険路。
そちらに比べると、白川砂の川底を見せながら流れる渓流を横手に登る赤山道は、心地の良い山歩きです。
1時間半程でケーブル比叡駅に到着しました。
駅前広場からは市内が気持ちよく見渡せます。
正面には「こぶ」の形でそれとわかる愛宕山が、手前には五山の送り火が灯される小高い山々が見えています。
駅から北側をぐるっと廻って延暦寺に向う道は、下界の好天とはうって変わりご覧のような雪道がでした。
今日は根本中堂のある東塔は行かず、西塔を巡り横川に向います。
釈迦堂を出てから、横川中道までは1時間半。
峯道と呼ばれる稜線伝いの道なので快適ハイキングです。
晴れていれば、京都市内から大阪方面まで見渡せるのですが、今日は昼から視界が悪くかすんでいます。
横川(よかわ)中堂に到着です。
中堂への石段は、坂本の里坊に見られる穴太衆(あのうしゅう)積みです。
昭和に再建されたものですが、山中の緑に朱色に輝く舞台造りのお堂は、私のお気に入りです。
今日は此処から今来た道を少し戻り、黒谷道を八瀬に降りることにします。
「比叡の登山古道は、東塔へ13本、西塔へ9本、横川へ12本が確認されている」(山と渓谷社「比叡山を歩く」より)ということです。
違った道を辿るごとに、古人の足跡や回峰行者の心持が偲ばれて、おもしろいものです。
初めての山道は地元の山でもちょっと緊張します。
黒谷を挟んで2本あるこの道(今日は北側)、八瀬の集落に向って真っ直ぐ降りて、しかも予想以上の難路です。谷沿いは道幅が狭いし、踏み跡を注意して辿らないと見失いそうだし、ガレ石が多く歩きにくい!
不安になりかけますが、途中にある「元三大師(比叡山中興の祖良源の尊称)道」の石標に勇気付けられます。
この道は元三大師信仰の参詣道なのです。
←元三大師考案の疫病よけの護符「角大師」。
ユーモラスなデザインが素敵です。
里に近づいた事を、滝の下に造られた砂防ダムが教えてくれます。
安心、安心!
国道に出ると、入り口には「元三大師道」と「圓光大師旧跡黒谷青龍寺」の石標がありました。
黒谷の南側を登れば、比叡山で唯一の浄土宗のお寺であり、法然上人が修行をした地である青龍寺にお参りして峯道に行くことができるのです。
玄元舎がお世話になっている「浄土宗 金戒光明寺」が親しく「黒谷さん」と呼ばれる由縁ですね。
次は、こちらを登ることにしましょう。
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