17日は正午から「お渡り式」(「おん祭の場合、既に行宮へ遷られた若宮神のもとへ、芸能集団や祭礼に加わる人々が社参する行列のことを言う」春日若宮おん祭パンフレットより)が始まります。
公園や興福寺五重塔の前も行列に参加する人でいっぱいです。
この日集められた馬の数は50頭とか。
午前中から、準備の様子を見て廻るのも楽しいものです。
行列が始まりました。
私は、一の鳥居の東側「松の下式」が行われる「影向の松(ようごうのまつ)」の横に陣取って見物をします。
「この松は能舞台の鏡板に描かれている松といわれ、春日大明神が翁の姿で万歳楽を舞われたという由緒ある場所である。 ここを通過する陪従(べいじゅう)・細男(せいのお)・猿楽(さるがく)・田楽(でんがく)は各々芸能の一節や、所定の舞を演じてからでないと、お旅所へは参入できない事になっている。」(春日大社HPより)というところなので、わたしにはベストポイントです。
「細男」の一座
「猿楽の金春座」
「田楽」の一座
午後3時半、お旅所祭りが始まります。
ところが、当日この時間から急に小雨が降り始めました‥残念!
本来なら、御神霊の行宮の前に造られた、五間四方の芝舞台で奉納される芸能は、急遽、東幄舎で行われることになりました。
夜半、輝いていた「鼉太鼓(だだいこ)」も覆いをかけられたままです。
地団太を踏むほど残念!
舞楽「延喜楽(えんぎらく)」
舞楽「地久(ちきゅう)」
大和の風俗舞「和舞(やまとまい)」
ところが、ラッキーなことに、途中で雨が止みました。
鼉太鼓に覆われたカバーはとうとうはずされなかったけれど、舞楽「蘭陵王」からは芝舞台復活です。
舞楽
「蘭陵王(らんりょうおう)」
衣装と面を見るのをとても楽しみにしていた舞なので、舞台で見られて感激です。
しかも、舞人(まいびと)の動きがすばらしい!
「蘭陵王」というのは凄い美青年だったということですが、厳しい面で隠しても、その男前振りが伝わってきて、胸が高鳴りました。
舞楽
「納曽利(なそり)」
舞楽 「貴徳(きとく)」
舞楽の奉納は夜10時半ころまで続きます。
そして、24時間以内に若宮に戻らなければいけない御神霊は、11時頃から催される「還幸(かんこう)の儀」によって送られます。
残念ながらわたしは、このへんで帰宅せねばなりません。
以降は来年を楽しみに‥ということで帰路につきました。
舞楽 「散手(さんじゅ)」
☆☆☆ 春日若宮おん祭りについては、弊社制作の『春日舞楽の名宝』で詳しくご覧になれます。
春日大社宝物殿で販売されています。 ☆☆☆
コメントをお書きください