「宗蓮寺」は中川集落を上から望むような高台にある浄土宗のお寺です。
集落で駐車場所を尋ねた方が親切な檀家の方で、わざわざ案内してくださいました。
民家の間を上っていくと、途中巨大な台杉が‥樹齢何百年?いや、もっとかも‥
とにかく集落の中に、普通にこんな杉があるのですから驚きます。
せせらぎに沿って建てられた、やはり杉でつくられた待合風な建物も風情があります。
いまは、シュウカイドウと萩、ススキなどがあちこちに美しく揺れています。
まもなく、貴船菊・ツワブキが咲きそうです。
ともかく、立派な樹木と数え切れないほどの花が植えられていて、ともすればバランスを崩すのでは?と心配する程なのに、ここではすべて不思議なほど調和がとれていると思えるのは、周りの自然と、御住職の手入れの賜なのでしょう。
観光寺院ではないので、本来は本堂に立ち入ることなどできないはずですが、見ず知らずの私たちを、檀家の方のご案内というだけで上げてくださり、お薄の接待まで‥こうばしい大徳寺納豆の茶菓子がおいしかった!
ひたすら恐縮する友人Kさんと私です。
そして座敷に面した、このお庭。
きれいに手入れされた笹が敷き詰められています。
笹のお庭というのは、市内ではあまり見られないかと思いますが、この北山杉に囲まれた空間にはすばらしく似合っています。
その中に座した如意輪観音の石仏は、なんとも透明感のある色気が素敵です。
秋にはさぞ紅葉が見事だろうと思わせるモミジの向こうには、清滝川と北山杉の山が創り出す広大な風景を臨むことができます。
人知れず、幽玄とも思われるような空間が存在し、出会った方々の好意で、ここに居させていただいている‥感謝です。
ふと、座卓をみると、なんと舎主が手がけた、水野克比古先生の写真集「心象の京都」があるではありませんか。
宗蓮寺の写真が載っています。帰宅して調べると、「京の野仏」「京都花名所」と、先生の写真集のそこかしこに‥不覚です。
いろいろな方と、様々な場所で繋がっていることに感謝しながら、日々を過ごしたいなあと、心から思います。
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