昨年訪れた愛宕山中腹にある月輪寺(前回の記事「月輪寺と十一面観音たち」はこちらから)が、先日の豪雨で土砂崩れにあったというニュースが、目に飛び込んできました。
【愛宕山(あたごやま)(京都市右京区)に建てられた「愛宕五山寺」として知られる天台宗の古刹(こさつ)、月輪寺(つきのわでら)が15日未明の局地豪雨による土砂崩れで大きな被害を受けていることが17日、京都府教委などへの取材で分かった。重要文化財の仏像などは無事だが、人里から離れているため復旧作業は進んでおらず、住職の横田智照さん(65)は「重要文化財の仏像を守るために離れられない。どうか助けて」と訴えている。府教委も同日、調査を始めた。
横田さんによると、異変に気づいたのは15日午前3時半ごろ。豪雨で近くの山肌が崩れ、寺にある6棟のうち木造平屋建ての客殿と棟続きの権現堂が土砂で埋まった。客殿が土砂を食い止めた形となり、重要文化財など宝物を収めた宝物殿は、土砂から約十メートルのところで被害を免れたという。
同寺は8世紀の創建で、九条兼実(かねざね)が暮らしたゆかりの寺として知られ、親鸞が植えたとされる時雨桜(しぐれのさくら)も残されている。木造阿弥陀如来坐像など仏像8体が国の重要文化財に指定されている。
寺は登山口から約1時間歩いたところにあるため、現在も復旧のめどは立っていない。次の雨が降ると危険な状況が続いている。1人で寺を守る横田さんは、「先祖から受け継いだ寺と寺宝は私の命そのもの。なんとか守りたい」と話している。】産経新聞7月18日付より。
あの、山道ににしがみついている様なお寺なら、当然、予想できたこと‥。
すぐ、住職様に電話をいれたところ、応急措置だけして、今後は各方面からの助力待ちとの事、胸が痛みます。
日曜日、舎主と友人のケイさんを誘い、お見舞いに寺まで登ってきました。
登り口で一緒になった若いお坊様、身体の後ろにリュックを背負い、なんと前にも重そうなリュックをかけて、手には扇風機の入ったダンボールを下げています。
もしや、と声を掛けさせていただいたら、やはり副住職様でした。
いつも、こんな風にして何十キロもある荷物を持って登るのだそうです。
「ひとつお持ちしましょうか?」と声をかけたいところですが、非力な3人は自分の身体をお寺まで運ぶのが精一杯!
この場を借りて再度
「副住職様、お役に立てず、すみませんでした。」
しかも道中、聞かせていただいた「愛宕山」と「月輪寺」の歴史が面白かったこと!
平安・鎌倉・室町と政治権力の浮沈に伴って、盛衰を味わってきたこと。
神社が火の神様として生き残ったのに対し、明治の神仏分離により寺は決定的に衰退を決定付けられたこと。
現代でも、源氏の流れを組む人の参拝は絶えないこと。他にも沢山‥‥。
あっという間の1時間が過ぎ、大汗にまみれ月輪寺に到着。
何人かのボランティアの方たちが、ドロ出しや清掃をされていました。
ここでも「ご苦労様です。お手伝いする体力が無くて、すみませんでした。」‥です。
何がしかの御喜捨と、新鮮な果物を食べていただこうとリュックに詰めてきたものをお供えし、久しぶりの十一面観音像との再会を堪能しました。
そう!やっぱりこの場所にあってこその仏様です。
月輪寺の歴史を聞きかじり、その思いはますます強まっていきます。
恐いのは、世の中から忘れ去られること。
皆さんに訪れていただきたい!
木立に囲まれ、冷涼な空気を吸い込みながら、1時間山を登った後に現れる眼下の風景と、迎える仏様の姿は、きっと誰の心にも染み入るものがあります。
是非!是非!訪れてみてください。
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月輪寺に一緒に登った友人のケイさんが、今回の月輪詣でを、美しい写真と文章でホームページにUPしてくださいました。
こちらも是非!→【Shop by K.i.】
ちなみにケイさんは、自身オリジナルデザインの革製バックやリュックのショップをしていらっしゃる方です。
ここのバッグ、特にボディバッグは、皮の質感そして機能性、一度見てしまうとはまります。
更に、週二日しか開いていないお店に行って、実物を手にとってしまうと、私のように後戻りがきかなくなりますよ‥要注意‥です。
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酒井 誠 (妻 芳子) (金曜日, 20 9月 2013 19:23)
昨日は、月輪寺で長い時間説明を聞き感謝に耐えません。住職さん自ら作ってくださったコーヒーの味が忘れられません。檀家さんもなくてお寺の維持はても大変だと思います。どこかで力になりたいと思います。来週にはわずかばかりですが、お布施を送ろうと思っております。
gengensha (金曜日, 20 9月 2013 23:43)
先日の台風もあり、気には掛かっていましたが、住職様のお元気そうな様子が伺えて安心しました。
お心遣い、ありがとうございます。