舎主が、同じく坂本にある西明寺の襖絵の複製作りのお手伝いをさせていただくことになりました。
大好きな坂本にご縁が出来て嬉しい私は、舎主の仕事に便乗して坂本にやってきました。
目的は、里坊!
今年公開される里坊のうち、昨年公開されなかった「寿量院」と「瑞応院」です。
いつも、私の「見て歩き」を横目で眺めていた舎主が、今日こそ里坊に同行する、というので、
舎主が仕事をしている間に、まず車で15分の堅田の寺社巡りに行ってきました。
まず訪れたのは「浮御堂」で有名な「満月寺」。
琵琶湖に突き出したお堂の景観は、境内の松の木と東岸の景色を背景にして、それは素晴らしいものです。
浮御堂内の千体仏は自由に見ることができます。
ただ、このお寺で一番見たい物は観音堂に安置されている秘仏である「聖観音坐像」(国重文)なのですが‥
お堂の前に同像の写真が貼ってありました。
実物はどんなにか素晴らしいだろう、と思わせる写真です。
何時の日か、お会いしたいものです。
満月寺のある本堅田は昔から港町として賑わったところで、他にも多数のお寺があります。
無料の観光駐車場も用意されています。
琵琶湖を横に眺めながら、ぶらぶらと寺社巡りをするのにはとても気持ちの良いところです。
「里坊とは、比叡山延暦寺の老僧や僧徒が隠居保養するための庵であった‥」
(特別公開 里坊庭園のしおり より)
現在でも50余りあるという里坊の特別公開に昨年に続き(昨年の記事はこちらから)今年もやってきました。
里坊の多くは、「庵」にふさわしく、華美ではないけれども、格式があり落ち着いた佇まいをしています。
ここ「寿量院」も美しい苔と椿が印象的な玄関です。
庭園は、穴太衆(あのうしゅう)積みの石組みが美しく、燈籠が印象的な景観をつくりだしています。
次に訪れた「瑞応院」の「楽紫庭」
詳細はいただいた説明書を拡大してお読みください。
庭園に入った途端、私たちは「これはっ!」と驚きました。
説明書に「重森三玲」の名を見て納得です。
中央に、元々此処にあった巨石を阿弥陀仏として置き、周りの菩薩は、いかにも「重森三玲」が好みそうな石を集めてきている。そして、両者がどの角度から見ても、阿弥陀仏に向いた菩薩という関係を作り出している。
書院に座って庭園をじっとみていると、石たちの間にかわされる心情が、私たちに伝わってくるような気さえするのです。
その斬新さと緊張感に感動です。
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