今回は、前回の安土をさらに北上した地、木之本町に向います。
ここまで来るともう雪国。
2010年の合併で、伊香郡が消滅して長浜市に編入されてしまい、何だか私にはしっくりときません。
私にとってはむしろ、余呉町と共に、福井への入り口の雰囲気が漂うお気に入りの地です。
己高山(こだかみやま)由緒にもみられるように、このあたりは、山に登れば山岳寺院跡がいたるところに見られ、古寺や文化財は垂涎ものです。
今日は単独行なので寺院と仏像巡りです。山は山野草が咲き始める4月後半からがよさそう!
由緒に見られるように、現在「鶏足寺」と呼ばれているのは、別院であった旧「飯福寺」です。鶏足寺の宝物は「己高閣」と名づけられた文化財収納庫に収められています。
隣には「世代閣」と名づけられた「岩戸寺」(現存していませんが、薬師堂のみ残っています)関係の文化財収納庫があります。
右の鶏足寺本尊の十一面観音は、腰を左にひねり、右足親指が上を向き、今にも歩き出そうとしているかのようです。
世代閣にある「薬師如来」は滋賀県最古の仏像といわれている、天平時代の特徴がよくでている仏様です。
「魚籃観音」は、上半身裸で、魚籠を持ち、なかなかインパクトがあります。
他にも、七体揃った七仏薬師や重文の十二神将3体、神像など、楽しませてくれます。
次に鶏足寺に向って、田畑の間を抜け、山道を登っていくと、広い湿地の向こうに見えてきたのは茶畑。こんなところに突然茶畑?
茶畑には説明の立て看板が‥由緒のあるお茶なのです。
*******この辺り、説明の立て看板や道標が、随所に親切に設置されています。休憩の東屋もあり、お弁当もちで歩くのには最高です。 ******
己高閣から30分ほどで鶏足寺に着きます。この参道、紅葉の季節にはさぞ美しい色に染まることでしょう。ここは無住の寺、本堂は修理中なのかビニールシートが掛けられています。
鶏足寺から10分も歩けば、石道寺にたどり着きます。
雪除けでしょうか、本堂の周りは緑のネットで囲まれています。
ここも現在は無住の寺。
この辺りの仏閣・文化財は、行政の後押しもあるのでしょうが、地域住民の方たちが維持・管理を担っておられます。
ここも地元の女性らしい方が拝観受付におられ、本堂の鍵をあけ、説明のテープを流してくださいます。
裏手の斜面にはザゼンソウ、ショウジョウバカマ、フキノトウが‥
写真も撮らせていただき、しばしおしゃべりを‥(「ほーむ」の季節の写真)
こんなお付き合いができるところが、地方のお寺を訪ね歩く大きな魅力、たまりません!!
京都のお寺では、敷居が高くて、とてもとても‥。
次回、己高山に登りに来た時には、1キロ先の谷にあるという、もとの石道寺跡を訪ねてみることにしましょう。
こちらの十一面観音は唇の赤など、彩色が僅かに残り、素朴な印象を受ける観音様です。
山間にひっそりと建つお寺で、土地に守られてきたこのような観音様にであうと、心休まる思いに包まれます。
最後に訪れたところが「渡岸寺観音堂」
己高閣駐車場から車で15分ほどの高月町にありあす。
ここは「渡岸寺」という寺があったわけではなく、現在は「向源寺」所有の「渡岸寺(これは地名)観音堂」におられる(実際は国宝なので収納庫におられる)十一面観音様です。
この国宝に指定されている仏像には、誰の目から見ても、これは!と感動させる威厳・迫力が満ちています。
向源寺発行、株式会社飛鳥園制作の写真集(拝観受付で¥1500で売っています)が、あまりにもすばらしく仏像の細部を写し出しているので、実物と、この写真集を見てください、としか言いようがありません。
収納庫では、廻りの全ての角度から、見ることができます。
横からの前傾の姿、後ろからの妖艶な姿とその頭部にかかる「暴悪大笑相」の恐ろしい仏面。
写真集では超一流の仏像写真家の撮影により、その細部まで見ることができます。
どちらも、必見です。
今回の観音巡りに大変役立ったパンフレットを紹介します。左写真はその一部。
奥琵琶湖観光連盟が作っているパンフレット「奥琵琶湖 観音寺」です。
56箇所の観音寺と観音様が写真入りで紹介されています。
奥琵琶湖各観光協会と各観音寺で販売されています。(¥100)
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