繖山(観音寺山)と安土の古寺

突然、思い立った安土行き。

まずは駅前の安土城郭資料館に寄って、情報をGET。

おおー!!さすがに安土駅前の建物は織田信長一色!「相撲櫓」まであります。

信長は強い者が好き。褒美目当てにたくさんの相撲自慢が集まったそうですから。

 

ここで今日のウォーキング計画が決まりました。

山城の跡を味わいながら「教林坊」「観音正寺」「桑實寺」を廻る。

コースはだいたいで‥(この「だいたい」が私たち、いつも後で反省材料になるのですけどね‥)

 

   


まず、教林坊の駐車場に車を置き、見えてきた総門は、これから訪れる場所への期待をおもいっきり膨らませるものでした。

 

 

「‥ここで私の興味をひいたのは、慶長時代の石庭で、‥それは古墳を利用してあるのだった。‥その石室の巨大な蓋石を、そのまま庭石に使ってあるのだが、不自然でなく、日本の造園の生い立ちといったようなものを見せられたような感じがする‥」

(白洲正子「かくれ里」より)

   

 

総門の屋根は琵琶湖の葦で葺かれています。

 

 

山門をくぐって振り返った時の映像は、目に焼きついて離れません。

表門に向う道の両側には、竹林の中にやさしく野の草花が植えられ、ところどころに赤や青の実をつけています。

細やかに、でもさりげなく手入れが行き届いた気持ちの良い道です。

 


近江はどこにい行ってもそうですが、ここもみごとな石垣です。

そして今は椿がとても印象的です。

春の青もみじ、秋の紅葉も、さぞきれいなことでしょう。 


(「教林坊」パンフレットより)

クリックし拡大してお読みください
クリックし拡大してお読みください

↑『教林坊縁疏」

本堂に掲げられていました。

謡うように美しく、かつ平易に書かれた文章はどなたのものでしょう?

同行のW子さんが、感動の余り朗々と読み上げてくれました。


教林坊のHPは

こちらから↓     

庭に関しては、私などが何も言わないほうが良いですね。

この石と苔の緑を見ていただいたら、感じ取っていただけると思います。

 

尚、庭は散策路の中を自由に歩くことが出来ます。

本尊霊窟と説法岩は手が届くくらいまで近くに行けます。

本堂や書院に座ることはもちろん、書院は屋根裏まで上がって茅葺・入母屋造りの屋根の構造まで間近で見ることができます。

寺に迎え入れられている、というような、安心感と喜びに包まれる感じがします。

 


現在まだ三十代の住職が、無人の荒れ寺だったのを15年かけて、復興させた経緯は、仏教タイムスに連載された「荒れ寺復興録」で見ることができます。

拝観すればコピーをいただけるし、ネットでもPDFでブログに掲載されている方がいます。

是非、ご覧になってください。

強い信念と柔軟な発想をもたれた方なのだなあと、羨ましくなってしまいます。

住職が書かれた、「心のごちそう」や「人におしえてあげたい仏教語」という冊子は素敵です。

知識に溢れていて論理的で、神仏なんて‥と思っている人にも伝わる「もの」があります。

 

 

本尊霊窟と説法岩
本尊霊窟と説法岩
書院側から庭越しにみえる本堂
書院側から庭越しにみえる本堂

左:教林寺からの路 右:観音正寺参道
左:教林寺からの路 右:観音正寺参道

教林坊から観音正寺への道は、石段を降りずに右手の山道に入り、竹林の中の石段を登っていきます。

20分程歩くと観音正寺の石段と合流するので、ここから途中の駐車場を経て本道まで30分は観音寺参道の石段を登ります。

この石段、なかなかの難物!

下からだと1時間くらいはかかるようです。


辿りついた観音正寺は本堂も本尊も平成になって焼失、再建されたものです。

白檀でつくられた本尊の千手観音は座位で高さ3.56メートルの巨大なもの。

上半身が大きく、まあるいお顔の、真新しい仏様です。

 

 


境内から見渡す近江の景色は絶景!!

豊かな平野、写真右手には三上山(近江富士)が写っています。

 

ここから30分ほど歩いて桑實寺に向かいます。

その途中、寄り道をして山頂へ。

「繖(きぬがさ)山山頂」標識地点を山頂への脇道を登ります。

往復40分ぐらいでしょうか‥その途中にも城か寺かの石垣が‥物悲しいような、懐かしいような歴史や時間の匂いがします。

 

 


琵琶湖や比良山系が見える山頂
琵琶湖や比良山系が見える山頂

元の道に戻り、5分も歩くと観音寺城跡です。

ここは石垣の遺構に囲まれた広場になっています。

この山を歩いていると、そこかしこに現れる石垣や石段の数々‥

近江の名門、佐々木六角氏の栄華の時代が偲ばれます。



 


城跡から20分ほど歩き、石段を下ると、桑實寺本堂が見えてきました。

南北朝時代建造の入母屋造り桧皮葺の屋根が、美しい曲線を描いています。

 

「桑實寺の寺名は、定恵和尚が中国より桑の木を持ち帰り此地において日本で最初に養蚕技術を広めれた為です。山号の繖山も、蚕が口から糸を散らしマユを懸けることにちなんだものです。」(桑實寺パンフレットより)

桑‥蚕‥糸が散る‥繖(きぬがさ)…なるほど。

珍しい漢字を使った山の名前だなあと思っていました。

 

白鳳時代創建と伝えられる、往時には2院16坊を数えたという寺です。

石畳の参道を降りていくと、両脇には往時の僧坊を忍ばせる石垣が延々と続きます。

見事な景観です。

 

 

 

 

 

 

石段から降りた後が最初に言った「だいたい‥」の後始末です。

以下、下の地図☆☆☆☆☆

瓢箪山古墳を左折しそこね、駅に続く道まで出てしまい、駐車場まで1時間半も歩く羽目になってしまいました。

気持ちよく山歩きを楽しんだ後のアスファルトの道はきつい!!

結果的にベストだったのは、(石寺楽市)駐車場に車を置き、今日とは逆に桑實寺から廻る、だったのでしょう。

(繖山林道入り口前)を通り(瓢箪山古墳)の横手から行けば石段まで20~30分で着くでしょう。

帰りも教林寺から、古い家並みの旧街道を20分も歩けば駐車場に戻れます。

反省、反省!

事前準備を怠るべからず!です。

 


コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    紅の同居人 (日曜日, 19 2月 2012 21:55)

    う、うー、うーー 迷ってしまいました!
    ここに入るべきか、Cooちゃんのほうにしようか・・・

    フットワークの良さは、お二人とも素晴らしい。
    私の信長の地へとお出かけだったのですね。
    京都へ来て、真っ先に「本能寺」へ行って、その後に安土にも。

    「教林坊」・・・行きませんでした。
    とても気持ち良く過ごせそうな空間!! 素敵な空間!!
    石垣と苔のコントラストも・・・いいですね。

    いい休日をお過ごしになられて・・・良かったことぉー!!

  • #2

    gengensya (月曜日, 20 2月 2012 20:32)

    「私の??」「信長!!」
    言ってくれますねぇ。
    「私を差し置いて(怒)」と来るかなあ、と‥
    安土の地で紅の同居人さんの噂をしていたのだけれど‥
    次回は是非、信長様のついでに、「教林寺」に立ち寄ってみてください。
    お気に入りになること間違い無しですよ!