今回の「ARTS MACHIYAーアートと町家が出会う日」が開催された町家は、普段は宿泊施設として使われている町家です。
「筋屋町町家」は元は豆問屋の母屋。
この写真は、通り庭を潜り抜け、坪庭から表の通りを写したものです。
2階の木製の手摺りや戸の桟、瓦屋根が美しい!
背中の元は蔵があったはずの場所には「㈱庵」の事務所があり、この2階は多目的スペース、なんと「能舞台」もあるのだそうです。
あめ色に輝く上がり口には、細い格子戸から差し込む光が縞模様を描いています。
そこに敷かれているのは作家さんの藍染めの敷物。
下の写真は2階から屋根裏への階段。
そこを登ると隠れ家のようなスペースが‥
こんな空間に一晩身を置いたら、疲れた身体も心もどんなにか癒されることでしょう。
しかも、水周りや空調は全て現代風に手をいれられているし、2階にもトイレとシャワー室まで設置されています。
会期中はファブリックはもちろん、花瓶や壁に掛かる額装品まで、町家に溶け込むように作家さんが、作品を選ばれ、配置されています。
鴨川に面した「和泉屋町町家」は、ベランダがそのまま鴨川納涼床で有名な「床(ゆか)」です。
改築した時に出たであろう太~い梁が手摺り代わりに使われているところなど、心憎い!
写真でははっきり見えませんが、天井は船底天井、障子は太鼓張りです。
見下ろせば鴨川の岸が、正面には東山の稜線が見えます。
一緒に訪れた友人二人、すっかりくつろいでしまっています。
最後に訪れたのは代々お医者様をされている「美濃屋町町家」
長~い通り庭を抜けると中庭・回廊・茶室まで備えた贅沢な姿が現れます。
ここも鴨川に面した町家です。
位置的には鴨川をはさんで向かいが清水寺です。
写真にも清水寺の三重塔が写っているのがわかるでしょうか。
今回この町家には、玄元舎が「SELF PORTRAIT」をつくらせていただいた近藤高弘先生の作品がしつらえられました。
床の間の一輪挿し、額装されたプレート、元からここにあってあたりまえのような顔をしています。
2階の二十畳もの和室には、先生の顔・顔・顔‥
この広さでないと太刀打ちできませんね。
この一輪挿しも、中国風の人形も、近藤先生の作品です。→
←このお風呂は素晴らしい!
窓から鴨川の床や川辺、東山に登る朝日を眺めながらお風呂に入れるのです。
京都在住の3人が、まるで、るるぶ片手の観光客のように、「きゃーっ、こんな所に泊まれるの!!」と、思わず歓声をあげながらの町家巡りでした。
「同窓会」「田舎の親を京都観光に」「パーティの会場に」‥それぞれが楽しい思いをめぐらせ始めました。
日々の生活はしんどいなあと感じることも多いけれど、なにか嬉しいことがあると、また気持ちを切り替えてがんばれる‥そう思いながら。
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