大悲山「峰定寺」

「峰定寺(ぶじょうじ)」という寺の名前を私は全く知りませんでした。

訪れるきっかけは、高層湿原で有名な「八丁平」に行きたいと以前から思っていたことにあります。

 

八丁平はかつて、保護運動によって湿原への林道工事が中止になったという歴史をもつところです。

今回はひとりなので山歩きは無理でも、その林道も含めて廻りの自然を見てみようというドライブでした。

往きは若狭へ抜ける国道367から国道477(すれ違い困難な急勾国道です、対向車をうまくやり過ごせなかったらバックで山道を戻らねば!コワイ!)へ、目指すは峠を越えた百井の集落です。

百井から問題の林道が八丁平に向かって北上しています。快適道路ですが尾越で突然終了。この向こうが八丁平と峰床山だあ~、と深呼吸して、山の香りだけいただきます。

百井に戻って、例の477を西にとり大悲山口(ここからも八丁平・峰床山へ向かう林道ができています)へ向かいます。百井峠・花背峠も「どうか対向車が来ませんように!」と願いながら走ります。

 

百井の集落の住人は、結局この西か東の峠を越えないと集落から外には出られないのですね。過疎対策として、北上する道を造ろうという意見が出たのもわかるような気がします。

と、つらつらと考えながら道を走らせていると、桂川の源流である寺谷川沿いの道に出ます。川は硬い岩盤を縫うように曲がりくねって流れています。

その終点が、大悲山「峰定寺」でした。

仁王門より内側は撮影禁止なので、パンフレットでしか紹介できません。

長い石段を15分程登ると崖に建つ本堂にたどり着きます。

三徳山「三佛寺」の文殊堂や投入堂を思い起こさせる迫力です。

そしてなにより、収蔵庫に保管された仏像がそれはすばらしかったのです。

とくに十一面千手観音像と、脇侍の不動明王二童子像・毘沙門天像は、彩色も繊細な載金も美しく保存されていて必見です。

ネットでは公開はされていませんが、仏像の本を捜せば写真を見ることができます。

収蔵庫の拝観は期間限定です。

今回は偶然、前日が9月17日、観音様のご縁日の特別公開日で、その後片付けをしておられたから見せていただけたようです。

来年は17日に拝観し、年に一度公開される本堂の内部も拝観したいものです。

仁王門の前の参拝の橋は、行き止まり。

昔はこの橋を渡る道しかなかったとのことです。きっとその向こうには集落もあって、沢山の人がこの橋を渡ってお参りをしたのでしょうに‥

なんだか寂しい橋です。

 峰定寺へ通じる道の横から大悲山や八丁平に続く林道(これも賛否両論)ができています。自然歩道も整備されていると聞きました。お寺のわきに細い山道が見えたので、ここからも入っていけるのかもしれません。

車止めがあったので今日はここまで。

私も秋になったら、どれかの道を選んで八丁平・峰床山をあるくことにします。

 

帰りは、鞍馬・貴船を通って市内に戻りました、

どちらにしても市内から1時間半から2時間、冬季は雪に閉ざされる厳しい土地です。