「大寧軒」と「駒井家住宅」

『大徳寺 大寧軒』配布資料
『大徳寺 大寧軒』配布資料

 

 

友人のM子さんが「京都夏の旅 文化財特別公開」を見に来るということで、KとEも急遽お供させていただく事になりました。

 

当初の予定は、駒井家住宅と白砂村荘の予定だったのですが、初公開の大寧軒に行きたいとのKの切望により行き先を追加、結果、ここが圧倒的にすばらしいお庭拝見となりました。

 

大寧軒の歴史・庭園のみどころについては、観覧時にいただいた左の資料でわかっていただけると思います。

お庭の印象としては、Kが言った「緊張感のある庭」というのがぴったりだと思います。

 

 

三柱鳥居
三柱鳥居

三柱鳥居や燈籠、玄武岩の柱状列石など目を引くものが多いにも関わらず、奇をてらった感じがしないのは、水の流れと緑の組み合わせがすばらしいからでしょうか。

樹木の種類はモミジを中心に、地元の土壌・気候の中で無理なく育つものを選んでいるとのことでした。

庭木の手入れも、自然の成長を尊重し、あえて人の手が入っていることを感じさせないようにしている様に感じました。

それらのバランスを維持し続けていることが、この庭の緊張感を支えているのではないでしょうか。

優美な曲線を描く流れ
優美な曲線を描く流れ

ここに来る前に見てきた「白砂村荘」は赤松を使い、各地から集めた灯籠や石仏を配置した数倍は広いお庭でした。

作庭した橋本関雪が見たかった庭の姿に思いを馳せながら 見てまわりましたが、現在、その思いは表現されているか、そして今後どのような庭として維持していくのか、考えさせられるお庭でした。

ちなみに我が家は、猫の額ほどの庭にある一本のモミジの剪定についてさえ、Kと意見が一致しない有様です‥。

こちらは北白川疎水沿いにある駒井家住宅。

「駒井家住宅(駒井卓・静江記念館)は、遺伝学者であった駒井卓博士の住居であり、昭和初期の洋風住宅として質が高く、また建築当初の状態がよく保存されています。米国人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが円熟期にさしかかった時代の住宅建築で、昭和初期における代表的な作品ともいえます。1998(平成10)年3月、当住宅は、歴史的、文化的価値が高い建造物として、京都市指定有形文化財に指定されました。」

「駒井家住宅パンフレット」(財)日本ナショナルトラスト より

 

いまでこそ高級住宅地となった北白川疎水沿いの地も、建築当初は田んぼの中。比叡山と大文字山を一望しながらサンルームに座りお茶をいただく‥昭和初期の京大教授夫妻が目に浮かぶようです。

駒井教授の専門は遺伝学。ショウジョウバエの研究をされ、なんと三毛ネコは全て雌であるという証明をされた方だそうです。

この庭でネコと戯れ、温室で植物や昆虫に見入っておられたのでしょうか。

旧き時代の知識人の香りがします。