うだつの町

三嶺歩きの帰り道に、ふたつの「うだつ(梲・卯建)の町」に立ち寄りました。

まずは「つるぎ町貞光(さだみつ)」

こちらのうだつは写真のような「二層うだつ」と屋根の先端の軒飾りや鏝絵(こてえ)など華やかなことが特徴で、商家が「うだつをあげる」のを競い合った様がよく感じられます。

町指定有形文化財として無料公開されている「旧永井家庄屋屋敷」は550坪の広大な敷地の中に茅葺き屋根の主屋、蔵やネドコ(藍をねかす建物)が保存されており、背景の山並みと一体となった景観は、時を忘れそうになる感があります。

 

こちらは、すぐお隣の美馬市脇町のうだつ。

こちらは「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている為、中心となる南町の通りに面した外観は、見事に往時の姿を残しています。

その「うだつ」はといえば、本体も屋根部分も、とにかく巨大です。一戸の間口も広い家が多いのでバランスも取れて、重量感ずっしりです。

その内部構造が見られる展示がありましたが、現代なら百万単位の経費とか‥これだけのうだつを上げようと思ったら、屋台骨が(経済的にも)しっかりしていないとえらいことになる!と恐れ入りますの感ありです。

 

通りがかった地域の方が丁寧に説明をしてくださった後に「隣(町)のうだつとは歴史が違う、ウチのはずっと古いんだ」と自慢されていたのは、いかにもうだつを上げるのを競い合った土地柄らしい、お言葉。