2018年 篠田和幸作品集『おぼろげ』
撮影:山崎兼慈 [作陶風景を除く]
装丁:大西和重(株式会社ザイン)
制作・印刷設計:三浦啓伯(玄元舎)
印刷:株式会社サンエムカラー
サイズ:A4
総頁:79頁
篠田和幸さんの陶彫(陶芸彫刻)作品集を作らせていただいた。
篠田さんは、職業作家ではない。現在のイオングループの前身となる会社に入社され、その後独立。会社を上場するまでに大きくされたビジネスマンであったが、65歳を機に会社から手を引かれ、その際、元の上司でいらっしゃるパラミタミュージアム名誉館長の小嶋千鶴子さんのすすめがあって、陶彫を始められたという経歴をもっておられる。
なんといっても、その作品が素晴らしい。表現が自由で、ユーモアもあり、表情の喜怒哀楽や風情が心を打つ。こうしたら人にうけるだろうとかいう配慮は全くされずに、自分の作りたいものを作るというスタンスなので、ストレートに表現が伝わる。いい意味での究極の旦那芸だ。
昨年、小嶋館長のすすめで「篠田 和幸 古稀展ー 70歳からの穴窯への挑戦」をパラミタミュージアムで開催されたが、館長の勧めもあって、その作品を中心に作品集を作る話がもちあがり、プロジェクトに参加させていただいた。
展覧会で作品を拝見し、撮影の折にもお邪魔したが、写真のライティングを生かして、陶彫の立体感を印刷でも表現すべく指示をしたが、穴窯で焼き上げられて微妙に変化する色調再現に苦心した。
またひとつ、楽しい仕事をさせていただいた。