現代美術の作品の装丁を中心に活躍されているデザイナーの西岡勉さんの紹介で、石橋美術館、有馬記念館で開催されている金閣・銀閣の美術の展覧会の宣伝物と図録の制作をさせていただいた。
西岡さんのデザインなので、よくある古美術然としたものではなく、作品自体がうったえてくるような仕上がりが要求された。
紙も風合いのあるものを使って従来の古美術の展覧会にはないものを作ろう、ということだったので、印刷設計に苦心した。
風合いのある紙を使うと印刷はくすんでしまうので、派手な画像を作って見場を作る。
しかし、あまり派手にすると原本と違ったものになる。
印刷物として見場がありながら、原本のイメージをきっちりと伝える図録を作る。ホントにスリリングな経験をさせていただいた。
幸い好評なようでホッとしている。
サンエムカラーのスタッフとして、制作にあたった。
内容を写真で少し紹介しよう。
「イマジネーションで楽しむ日本美術」という展覧会のコンセプトに添った、斬新で見て楽しい図録になったと思う。
右
伝周文「十牛図」
左
狩野元信「牧牛童子図」
伊藤若冲
「厖児戯帚図」
伊藤若冲
「牡丹百合図」
中国
「玳玻天目散花文茶碗」
下は、同時に作成した展覧会のちらし。
A4サイズを縦に2枚つなげた裏と表。
とてもインパクトのあるデザインに仕上がった。
このままでも壁に飾っておきたくなる。
右のちらしのデザインは、下の写真、伊藤若冲「釈迦三尊像 葺普賢菩薩像」の部分、象を拡大したもの。猿は長谷川等伯「竹林猿猴図屏風」の部分拡大図である。
図録にも、随所にこのような作品の部分拡大図が掲載されている。
展覧会の開会式への招待状・封筒・図録引換券にいたるまで、全て、今回展示されている作品をデザインしたもので制作した。
■これら以外に制作したもの■
掲示用B0サイズの看板
ポスター3サイズ(B1・B2・B3)
チケット4種類
出品目録
全てにおいて、紙質・デザインとも、今回の展覧会の内容に似つかわしい、味わいのあるものをと苦心した。
このような仕事をさせていただけたのは、ひとえに主催者の方々が、作品と展覧会に深い思い入れを持ちながら仕事をされているからであり、深く感謝の念に堪えない。