2012年
平安の正倉院
『春日大社 神々の秘宝』
王朝の美が花開く宝物
発行:春日大社宝物殿
制作:玄元舎
印刷:サンエムカラー
平成24年11月15日発行
A4版 72ページ
「この時代には、現代にまで続く日本の工芸を特徴付ける蒔絵や螺鈿の技術が一つの頂点に達します。その漆芸や金工のデザインも単に精巧であるというレベルにとどまらず、空間と装飾性を意識した工芸デザインとして時代や国の域を超えて評価されるレベルに達し、その後の日本の美意識、つまり美的なセンスの規範となった時代だと思います。」(「春日大社 神々の秘宝」より 松村和歌子学芸員)
春日大社の本殿や若宮に神々の持ちものとして奉納された神宝をとりあげた図録。
琴などの楽器、鏡などの調度品、刀剣などの武器が掲載されている。
特に平安時代の神宝は、時の最高権力者藤原氏が、氏神春日大社のために、工芸の粋を尽くして作らせたもので、春日大社以外にはほとんど残っていない。
アップの写真が多用されているため、ディテールを見ることができ、精巧な細工・高いデザイン性を知ることができる。
人間国宝の北村昭斎氏による復元模型も伴録されていて、どんな技巧がつかわれているかがよくわかる。
撮影条件が異なり、違った色調で写っているアップを、同じように見えるよう、細かい調製をして刷りあげた。