「由緒深い寺院や神社の建造物や、自然に馴染んだ優しい庭園、懐かしい河川、町家が軒を連ねる小路に、音も無く降りしきる雪は、ふんわりと積り、清浄無垢な風景を現出させてくれる。まるで心の塵を吹き払ってくれるようなその世界は、朝陽に照らされると見る間に融けて消え去ってしまう。その儚さこそ、京の雪景色の神髄であろう。」（『京都雪景色』まえがきより）

冬の京都、明日は雪が降るかもしれないと思っても、ちょっと出遅れてしまうと見逃してしまう。

そんな京都の雪景色が１１２枚も納まっている写真集です。

その一枚一枚のためにどれだけの時間と労力を費やされたか、驚嘆に値します。

下賀茂神社の朱色は夜目に素晴らしく映えます。

加えて雪にふんわり包まれた様は、侵しがたい荘厳さを感じさせます。

地元に暮らす我々でさえ、目にする機会はなかなか無い一枚と思われます。